「育休明け、休みたい」と検索していた私へ。【第8話】「仕事をしている自分が、好きだった。」復職最初の一週間

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「育休明け、休みたい」と検索していた私へ。【第8話】「仕事をしている自分が、好きだった。」復職最初の一週間

目次

前回のお話

前回は、復職前最後の一か月について書きました。

生活をシミュレーションし、家事を仕組み化し、できることは全部やりました。

それでも、「ちゃんと生活は回るだろうか。」

その不安だけは最後まで消えませんでした。

そして迎えた、5月1日。

実際に始まった生活は、思っていたより穏やかなスタートでした。

いつも通りの朝。でも、時計ばかり見ていた

朝6時。

目覚ましで起きると、夫はいつも通り、犬の散歩に出ていました。

私も4月から毎朝6時に起きる生活を続けていたので、体は自然と動きます。

メイクをして、身支度を整えて、一息つく。

6時45分。

まだ眠そうな息子をベビーベッドから抱き上げました。

「今日からママ、お仕事だよ。協力してね。」

そう声をかけると、息子はいつものように機嫌よく起きてくれました。

前日の夜には、

「あなたにたくさん我慢させてまで働きたくはないんだ。」

そんな話をしながら眠りました。

もちろん、その言葉が伝わっているはずはありません。

それでも、私にとっては大事な時間でした。

朝ごはんは、4月から練習してきた固定メニュー。

食パン、ハンバーグ、ミニトマト、バナナ、牛乳。

息子はいつも通り食べていました。

違っていたのは、私だけ。

時計を何度も見ながら、

「予定通り家を出られるかな。」

そんなことばかり考えていました。

笑顔の「バイバイ」

予定通り家を出られたことに、まずほっとしました。

朝にぐずったり、うんちが出たりすれば、それだけで予定は変わります。

そんな心配もなく、自転車で保育園へ向かいました。

「今日から少しお迎えが遅くなるけど、楽しく過ごしていてね。」

心の中でそう話しかけながら。

保育園では、息子はいつも通り笑顔で手を振ってくれました。

慣らし保育の一か月で、保育園はもう息子にとって安心できる場所になっていました。

その姿を見て、少し安心した反面、

「仕事終わったら急いで迎えに来るからね。」

そんな気持ちで保育園をあとにしました。

久しぶりの通勤時間

電車に乗ると、まずスマホを開きました。

家を出た時間。

保育園に着いた時間。

駅に着いた時間。

乗った電車。

その日の通勤記録を残していました。

雨の日は電車がいいのか、バスがいいのか。

もっと効率よく通う方法はあるのか。

そんなことまで考えていました。

そして少し株価を見たり、ニュースを読んだり。

育休中にはなかった、「一人で過ごす時間」。

意外にも、この通勤時間は嫌いではありませんでした。

「戻ってきたんだ」

初めて入るクリニック。

他のスタッフの後ろについて歩きながら、ロッカーを探しました。

中には、新しい制服が用意されていました。

久しぶりに袖を通し、鏡の前で髪を整えます。

「戻ってきたんだな。」

そんな気持ちになりました。

でも、新しい制服のズボンは思っていた以上に長くて、

「今日帰ったら裾上げしなきゃ。」

そんな現実的なことも考えていました。

ナースステーションへ行っても、まず誰に声をかければいいのか分かりません。

それが、この日一番緊張した瞬間だったかもしれません。

さらに、カルテにもマニュアルにもログインできないというハプニング。

「復帰した人あるあるなんだよね。」

そう言われて少し安心しました。

そして、その日もう一人、同じ日に復帰するママさんがいることを知ります。

新しい職場で、一緒にスタートする人がいる。

それだけで少し肩の力が抜けました。

役職者との面談では、これまでの経験や時短勤務の予定などを聞かれました。

「時短が終わったら、その後はどう考えていますか?」

そう聞かれたときは、少し驚きました。

正直、その先のことなんて考えられませんでした。

まずは、この生活が回るかどうか。

当時の私にとって、一番大事だったのはそれだけでした。

仕事の終わりは、一日の終わりじゃなかった

初日は、ほとんどが研修やマニュアル確認でした。

思っていたほど体は疲れていません。

久しぶりにカルテを見て、マニュアルを開いて。

「ああ、こうだった。」

少しずつ感覚が戻ってくるのが嬉しかったのを覚えています。

産休に入る前は、毎日当たり前のようにやっていた仕事。

約2年のブランクはあったけれど、「また看護師として働くんだ」と思うと、不思議と気持ちが前向きになっていきました。

復帰者プログラムが終われば、少しずつ技術の再習得も始まります。

「早く元の感覚を取り戻したい。」

「もっといろいろできるようになりたい。」

そんな気持ちの方が強かったように思います。

でも、産休前と一つだけ大きく違うことがありました。

仕事が終われば一日が終わるわけではないことです。

仕事が終わったら、保育園へ迎えに行く。

そこから夕飯を食べて、お風呂に入って、寝かしつけをして。

ようやく一日が終わります。

だから初日は、

「何時に職場を出られるんだろう。」

「何時の電車に乗れるんだろう。」

そればかり気になっていました。

退勤するとすぐに駅へ向かい、夫へLINEを送りました。

「今出た!急いで帰る!」

保育園へ着くと、息子が部屋から走ってきました。

「ママー!」

その笑顔を見て、ようやく一日が終わった気がしました。

思っていたより、生活は回っていた

帰宅後は、4月に作っておいた作り置きのおかげで、夕食の準備はありませんでした。

息子とゆっくりお風呂に入り、少し遅い時間に布団へ。

疲れていたのか、息子はすぐ眠りにつきました。

「思っていたより遅くならなかった。」

それが、初日の一番の感想でした。

4月に何度もシミュレーションしてきた生活。

朝ごはんを固定して、家事を仕組み化して、作り置きをして。

準備してきたことが、ちゃんと役に立っている。

そんな小さな安心感がありました。

ゴールデンウィークは、仕事が楽しかった

復職してすぐ、ゴールデンウィークに入りました。

初めて夫が保育園へ迎えに行った土曜保育。

息子を実家に預けて、夫婦で久しぶりに焼き鳥屋さんへ行った日。

ゴールデンウィーク中には、少しずつ技術確認も始まりました。

「あ、そうだった。」

「この感覚。」

少しずつ手が思い出していくのが嬉しくて、毎日仕事へ行くのが楽しみでした。

夫と焼き鳥を食べながらも、

「忘れていることも多いけど、早くいろいろできるようになりたい。」

そんな話ばかりしていました。

仕事が終わっても、お迎えがあって、家事があって。

生活は忙しくなったはずなのに、不思議と気持ちは前向きでした。

久しぶりに仕事をしている時間が、また看護師として働けることが、私は嬉しかったのです。

でも、ゴールデンウィークの最後の夜は、夫の職場の人たちと家族ぐるみでBBQ

夫からいつも話しを聞いている先生たちに初めてお会いできたのも嬉しかった。

皆さんのお子さんたちが一番小さい息子とたくさん遊んでくれたおかげで、私も奥様方といろいろお話ができた。

「仕事するのもするので大変だし、家で子ども見るっていうのも大変だし、どっちを選んでも大変だよね」

そんな話を母親同士ではしていました。

夜は涼しく、みんなでのんびりお肉を食べてお酒を飲んで仕事終わりで疲れているはずなのにとても充実した一日だったなと思いました。

子どもが生まれる前はこんなふうに、仕事終わりに飲みに行ったりご飯食べに行ったりそんな生活だったなあと懐かしくも思いました。

GW最終日の夜、息子が寝た後には、夫とはこんな話をしていました。

「復帰してすぐがゴールデンウィークだったから、まだ余裕なんだと思う。」

「本当に大変なのは、来週からだろうね。」

その予感は、思っていた以上に早く現実になっていきます。

次回予告

仕事は楽しかった。

「これなら続けられるかもしれない。」

そんな気持ちで迎えた、ゴールデンウィーク明け。

でも、ここから少しずつ、
仕事だけではない「働く生活」の大変さが見えてきます。

初めての保育園からの呼び出し。

子どもの体調不良。

仕事が終わってから始まる、もう一つの一日。

それでも5月の私は、

「今はまだ慣れていないだけ。」

「3か月もすれば、きっと大丈夫。」

そう思っていました。

次回は、復職後に初めて経験した保育園からの呼び出しと、少しずつ変わっていった日々について書きたいと思います。

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